1638年にアインベックで創業した、現存するヨーロッパ最古のハンドメイド更紗工房にやってきました。
インドからヨーロッパに伝わり、フランスを中心に一気に広まったブロックプリント=更紗。数々のメーカーが産業革命を経て廃業したり、機械工業へ変貌していくなか、現在も17世紀当時と同じ手作業を続けているヨーロッパ唯一の更紗工房です。
380年以上の歴史があるので、デザインの元となる木型のストックも膨大です。
長年の使用で痛んでしまった木型は、このように再現してデザインを受け継ぎます。
ハンコを押すようにプリントするのが特徴の更紗ですが、こちらの緑の液体は染料ではありません。この後、生地全体を青や赤で染色し、この緑の部分だけを染色させずに白模様にするための薬品です。驚くべきことに、17世紀と同じ薬品を使用しており、企業秘密なのだとか。
創業時からファミリービジネスで、今でも働き手は少数なうえ手作業を続けているので、とても時間がかかります。染色作業を1色ずつしか行えないため、欲しい色をオーダーしたくても数ヶ月待ちになってしまうのも珍しくありません。
ちなみに、この工房のメインの色であり一番人気なのがインディゴ。17世紀は高価な染色で、当時インディゴ染の洋服は上流階級の物だったのだとか。
ネクタイ専門店TUNDRA(ツンドラ)が投稿いたしました。