ロンドン郊外、地下鉄の最終駅からはタクシー以外に交通手段がなく、周りは自然がいっぱいの長閑な風景です。イーストロンドンに位置するこの工房ができたのは、今から5年前。建物としては、工房とか工場というより、「倉庫」と呼ぶのがぴったりくる、社員2人の小さな会社です。
妙にテンションが高いw創業者ダニエルに迎えられて、色々と話を聞くことができました。
今では博物館でしか見ないような古い織り機数台と、比較的新しい織り機2台を、生地によって組み合わせて生産しているらしい。最も古い織り機が1870年代のもので、使い方も独学とのことです。オリジナル生地の生産がメインで、ラルフローレンなど有名ブランドからのオーダーもあります。インディゴを中心に、ウール、コットンなど幅広い素材に対応しています。
織り機に限らずですが、古い機械というのは、本当に絵になりますね。実際に動かしているところも見せてもらいましたが、音もまたレトロでいいんですよ。
ダニエルに質問しました。なぜ古い織り機を使おうと思ったのか。古い織り機にできて、新しい織り機にできないことは何なのか。
「まず、古い織り機は使い方が簡単なんだ。現代の織り機ってコンピューターで制御されてるから、正確に生地を生産できるけど、やっぱり制限はある。古いアナログな織り機はその点フレキシブルに対応できるから、実験的で新しい生地を試すことができるんだよ」
奇しくも同じイギリスの工房で、古いアーカイブデザインを新しい技術で蘇らせるというサドベリーの工房とは真逆のアプローチに、素直に感動しました。
ネクタイ専門店TUNDRA(ツンドラ)が投稿いたしました。