「シルクの町」といってもそれは昔の話で、Sudbury(サドベリー)で現在営業しているシルク工房はわずか数社しかありません。
ロンドンから電車を乗り継いで約2時間、無人の終着駅、サドベリーにやってきました。
サドベリーは、いわゆるイギリスによくある田舎町で、20分も歩けばだいたい把握できる、とても小さな町です。
ですが、よく見るといたるところに「Weaver」の文字があって、かつて織物が盛んだった時代を思い起こさせます。
工房に着いて案内された部屋で、棚に並べられたアーカイブの量にいきなり圧倒されます。
270年の歴史をもつ工房ですから、サンプル本はこの棚だけじゃなくて、膨大にありました。全部チェックしていると1日ではとても終わらないので、打ち合わせ後、好みを理解してもらって10冊ほど見繕ってもらい、じっくりチェックしました。
サンプルはもちろん当時のものなので、結構汚れています。しかも幅3cmくらいしかないサンプルも多く、ここからネクタイをイメージするのはなかなか難しい作業です。また、ご覧のように本自体がかなりボロボロで、糊付けされてるシルクが剥がれそうになったりと、色々気を使いました・・
この後、織り機や作業工程も見せてもらいましたが、先ほどまでとは別世界というか、それは極めて現代的なシルク製作の現場なのでした。この工房のすごいところは、当時のアーカイブデザインを現在の技術で復元するため、PCのソフトウェアまで開発してしまったところです。歴史と伝統の国であり、先進国でもあるイギリスならではですね。(ちなみにPC上の作業も見せてもらいましたが、さすがに写真は遠慮しました)
ネクタイ専門店TUNDRA(ツンドラ)が投稿いたしました。