ポーランドの工業都市ウッチは、19世紀に繊維産業で栄えたことで有名でして、当時はヨーロッパ中の職人の憧れでした。今でも織物工房がたくさんあるのかといえばそんなことはないのですが、他の国では見られない織物博物館があるので、日帰りで訪れました。ワルシャワから2時間ちょっとです。
が、またもや列車でトラブルが起きました。
チケットを購入したものの、前回どの車両に乗ればいいのかわからなかったので、ホームで「i」マークのビブスを着たお兄さんにチケットを見せて尋ねました。すると「このチケットは間違えている。8:20発の列車は確かにこのホームなんだけど、別の会社だから。このチケットの会社だったら、11:30発のはずなんだよ」と言われました。「会社??」と思いつつとにかくチケット窓口で確認しろというので、そのお兄さんに付いてきてもらう。ワルシャワ中央駅はとても広くて、チケット窓口はいくつもあります。僕が買った窓口はここから遠くて発車時刻に間に合わないので、近くの窓口で聞いてみると、本当に間違っているらしいのです。
ポーランドの鉄道は日本と違い、いろんな会社が同じ駅、ホーム、線路を使っているが、チケットの窓口は同じ。(こんなことが起きなければ全く考えなかったですが)で、僕が買った窓口のおばさんが発券手続き(PCで入力してた)を間違えたと。 けどもう時間がないので、どの車両でもいいので列車に乗って、車掌さんに説明しろと。さらに、別会社のチケットを買ったことになっているので、車内でもう一度買わなければならなくて、車掌さんにサインをもらってウッチに着いてから払い戻しをしなくてはいけないという、面倒な展開に。
どの車両に乗るかも不安だったくらいなのに、一気に問題山積みです。頼りは「i」マークのお兄さんだけなので、再びホームまで付いてきてもらうと、すぐに列車が到着。急いで車掌さんを二人で探し、60歳くらいの白髪、立派なヒゲを蓄えた車掌さんをつかまえ、お兄さんに説明してもらう。ぼくを見てかなり大きな声で一言「ジャポン!?」。やはり英語はできないみたい。「イエス」と言うと、「オーケー」。何がオーケーなのかわからないが、とにかくお兄さんにお礼を言い、急いで列車に乗る。 チケットが間違っていたので、自分の指定席もないので適当に空いている席に座ります。さっきの車掌さんが、小型のチケット発券機の裏を指差して見せてきました。そこには小さく「Made in Japan」。「ハハー!」とうれしそう。ここで緊張がとけました。
そして間違えたチケットの裏に、ポーランド語でおそらく「今回こういうことがありました」みたいなことを書いてもらいました。ポーランド語でウッチ駅に着いてからどうやって返金してもらうかなど説明してもらったのを、向かいのサラリーマン風の男性に通訳してもらう。最後にぼくが大きめにポーランド語で「ヂェンクゥイェン!」(ありがとう)というと、さらに大きな声で車掌さんは「ポールスカ!」(ポーランド)と笑顔で返されました。国名好きやな、この人・・ 実はこの後も僕の席にきて、なぜか少林寺の話を延々してきたり(もちろん全部向かいの人が通訳してくれた)、とにかく明るくていい人だったのですが、ウッチに着いて、この人と写真を撮らなかったことを激しく後悔したのでした・・
ネクタイ専門店TUNDRA(ツンドラ)が投稿いたしました。